ニューノーマルを生み出す

こんにちは、今日は第12回の授業内容についてお話しします。

第12回のゲストスピーカーは駒崎弘樹さんです。

 

 駒崎さんについて

まず駒崎さんについてお話しします。

駒崎さんはNPO法人フローレンスの代表理事をやられている方です。

事業で社会問題を解決することを目標に活動されています。

駒崎さんは大学卒業とともにフローレンスを設立し、病児保育や赤ちゃんの養子縁組、子供宅食などに関する社会問題に釣り組んできました。

 

では、なぜこのような社会問題に取り組むことになったのか、その経緯についてお話しします。

 

駒崎さんは大学の学生時代、友人とともにITベンチャーをやられていました。

そのITベンチャーは様々な事業の会社にwebのシステムを提供することを主にやっており、まだITが完全に広がっていなかった時代だったため、とても安定した経営をされていたそうです。

 

しかし、やっていくうちに駒崎さんは、このシステムで誰の課題を解決しているのか、なぜITベンチャーを始めたのか、という疑問が浮かぶようになり、新しいことを始めたいと考えるようになりました。

 

フローレンスを作った経緯

ちょうどその時、ベビーシッターをやっている駒崎さんのお母様が、あるお客さんからベビーシッターの契約を更新しないという旨のお話があったことを聞きました。

詳しく話を聞いてみると、そのお客さんはシングルマザーであり、体調を崩した子供の看病で会社を休んだことにより、会社をクビになったからということでした。

この話を聞いた駒崎さんは頭に疑問が浮かびました。

 

子供の看病という当たり前のことで会社をクビになってしまうなんておかしい、こういう時に助けとなるセーフティネットを作らなければいけない、と考えました。

そこで、NPO法人フローレンスを作ったのです。

 

しかし、当時の病児教育にはほとんど社会的取り組みがなされていなかったそうです。

それは、需要が予測できない、補助金が少ないため組織として自立ができないという運営としての問題があったからです。

この問題により病児教育は新規参入ができず、広がらなかったのです。

そこで駒崎さんはこれまでの病児教育とは異なった、訪問型の病児教育を作ることにしました。

 

訪問型というのは、通常の託児保育のように施設で預かるのではなく、直接訪問し、サービスを提供するというものです。

 

また、このビジネスモデルではサービス料は高額になってしまうため、料金はサブスクリプションの形にし、サービスを利用しなかった家庭の会費はやすく、反対に利用した家庭は会費が上がるという形式にしました。

様々な家庭が、薄く、広く利用できるように、という駒崎さんの狙いが込められています。

 

次に取り組んだ課題は保育所が不足しているという問題です。

フローレンスの社員が育休後、保育所に入れないため復帰できないという声を聞いて取り組むようになりました。

駒崎さんのお話を聞いて驚いたのですが、保育所というものは設立するのに当たって様々な条件があり、簡単に作れないそうです。

定員は20名以上という決まりがあったのですが、駒崎さんは今までの様々な知り合いの力を借り、定員9人のお家保育園を作りました。

この活動により、小規模保育は盛んになり、今では急増しているそうです。

 

駒崎さんが行ったことは課題解決の中でも、点としての課題解決でした。

しかし、行動をすることで、その課題解決の運動は広がり、いずれ面としての課題解決になると感じたそうです。

自分自身の活動が社会に広がり、大きな動きとなったのです。

 

 

次に取り組んだ課題は障害のある子供の保育所不足です。

預かる上で、様々な施設、配慮が必要という点で当時の東京都には全くサービスがなかったそうです。

日本は医療デバイスが発達しており、他国に比べ、未熟児がなくなってしまう割合は少ないです。

しかし、それにもかかわらず、生きていく上で支えるシステムがないという問題は、駒崎さんはおかしいと感じました。

テクノロジーとともに社会もアップデートする必要があると駒崎さんは考えました。

 

では、保育所を作るには制度を変える必要があります。

そこで駒崎さんはこれまでの制度をうまく掛け合わせ、訪問して保育する仕組みと障害児の通所、教育の仕組みを活用しました。

これにより、保育所を作ることができ、東京都初の障害のある子供の保育所を作ることができました。

 

これまでの経験を通して 

これらの活動はどれも、他の人から反対されていたものだそうです。

フローレンスを設立した時では、当時はまだNPO法人知名度がなかったため、成功しないと言われていました。

上記の3つの課題を取り組む時も、成功しないだろう、制度を変えることは無理だと言われていたそうです。

 

しかし、今では良くやった、素晴らしい取り組みだと褒められたそうです。

これらの経験を通して人の価値観は5年、10年で変化するのだから、自分自身がやりたいことをやろうと駒崎さんは考えるようになったようです。

 

一番必要だ、自分がやらなくてはならない、と考えることを取り組むことで、誰でも社会を変えることが出来るのではないか、と感じました。

 

ニューノーマルを生み出す、これを念頭にやりたいことをやってみようと感じました。